Keep Paddling Vol.7 道

Keep Paddling Vol.7 道

 

最近、親(37歳)子(5歳)で空手を始めた。自分自身が小学生の頃少しやっていて、いつかまたやりたいなあという漠然とした思いと、子供が少し甘えん坊状態で男らしくせねば、という思いが重なり合っての行動であった。すると半年足らずで、一人称が「自分の名前」から「俺」になり、食べられなかったカレーライスを盛り盛り食べるようになり、師範にご指導いただくと相手の目を見て「押忍、恐縮です」ときちんと返答できるようになった。私自身も、今まで見て見ぬ振りをしてきた己の未熟さ・弱さを痛感し、謙虚になり心身ともに鍛えたいなと自発的意識が芽生えるようになった。人間的な「強さ」とは奥が深いなと。

柔道、剣道、空手道。「道」とつく名の武道は、とてもいい。礼儀が身につき、肉体的にはもちろん精神的に鍛錬を積み人間的成長を促してくれる。

なぜだろうと考えた。

そこにはきっと「歩み」の「積み重ね」があるからだろう。最初は何もなかった場所に、誰かが歩き始め、失敗し、知恵を絞って乗り越えてようやくでき始めるのが「道」。そこで感じたこと、うまくいったこと、苦労したこと。先人たちの英知が結晶となり、濃縮還元された技が引き継がれていく。だから、先人たちやその道を作ってきた全ての人へのリスペクトが生まれ、礼節を持って感謝をするのだろう。そして、また人に伝えていく。「道」は素晴らしい循環を生んでいる。

ヨーロッパサーフィン

少し前置きが長くなったが、同じような「道」的感覚が「サーフィン」と「ヨーロッパ」にも共通するなと強く感じたのがこのコラムの発火点である。

「サーファーへ 100の言葉(エイ出版)」に代表されるように、レジェンドサーファーたちの発する言葉は人生哲学そのものだ。

例:
「Flow with it, be part of it.(流れに身を委ね、その一部となる)」 ジェリー・ロペス
「乗るべき波を見逃してはいけない。その波は人生最後の波になるかもしれない」 アルビー・ファルゾン
「経験してみなきゃ何も分からない。頭で考えているだけじゃだめさ」 ジョン・ペック

外国人にどのように説明するか難しそうだが、仮に「サーフィン道」というものがあるとすれば、間違いなく「道場訓」として、書した言葉が同上に掲げられるであろう名言が散りばめられている。

そして、ヨーロッパの文化もまさに「道」そのものではないだろうか。長上を敬い積み重ねてきたもの・時間に対する美徳・そこに新しい感覚もしっかり重ねていく文化。建築、食、アート、どれをとっても魅力が奥深いのはアメリカやオーストラリアには絶対的にないだろう。どちらがよい悪い、いうことでない。それほど時間や歴史というのは普遍的で不可変的であるということである。

サーフトリップ

世界中で最も古い文明をそのまま伝えているのは「日本」だそうである。それはとても高貴なこと、だと。(引用:世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?山口周著:光文社新書)

大島紬、螺鈿細工、浮世絵、春画、神輿、森羅万象、八百万の神、多神教。
どれをとっても長く継承され、世界中から視点を変えて評価されてきた日本の伝統文化・思考。どのカテゴリーにも、想像を遥かに越える「道」があって今があるのだろう。

僕らが日本人として「サーフィン」と「ヨーロッパ」に惹かれる理由は、ごくごく自然なことなのかもしれない。

スケートとサーフィン

だから、僕らも少しでも多くの「道」を受け継ぎ、時には新しい未来につながる「道」を作っていきたいと改めて思う今日この頃であった。(ハイスタよろしく、Making the road。猪木&一休和尚よろしく、「この道を行けばどうなるものか〜〜〜〜〜〜迷わず行けよ!」)

押忍。

Keep Paddeling,

 

Written by Syunsuke Kimura
Tue, 31 July, 2018

Keep paddling Vol.6  鎌倉とヨーロッパ

Keep paddling Vol.6 鎌倉とヨーロッパ

 

鎌倉とヨーロッパ。

海、山、サーフィン、自然、歴史、食。
そして、それが織りなす空気感。そこに集まる人々の価値観。
何だかとても似ているなあ、と思い、今回のテーマにしようと思い立った。

その背景をチラホラと綴る。

約2年ほど前に、鎌倉に家族4人で越してきた。

よくある話ではあるが、30代も半ばを迎え、子供も小学生に差し掛かる。
不惑の40歳を迎える前に、幸福における価値観をある程度定め、この先の人生をどこでどのように過ごしていくか。

仕事と家族、そして自分。どうやってバランスをとろうか。
そんな大人の思春期に、色々悩んだ結果、鎌倉に移り住んだ。
理由はいくつかある。

鎌倉の海岸

 

まず、家族的な側面では、ベタではあるが、子育て環境。

自分を振り返ると、小学生の頃から、都内で団地・マンション暮らしが長く、コンクリートに囲まれ、遊び場が駐車場。逆過疎化減少で、小学校も1クラスで20人に満たない。学級崩壊も起きた。(悪そうなヤツは大体友達ではなかったが。笑)
その反動もあって、子供には、便利さの追求ではなく、自然と歴史と文化に囲まれながら、のびのびした環境で育ってほしいな、との思いが30年間あったのだ。

フランスのビアリッツやホセゴー、スペインのサンセバスチャンに住む子供を持つ親と話した時に、近しいことを言っていたのを記憶している。パリで子供を育てるのはクレイジーだと。笑

この写真のように、ビーチでの子供の躍動感、自然を遊び道具にする様子を見ると、それは間違いではなかったなと、つくづく思う。

鎌倉の海と子供達

鎌倉の自然

 

2つめは、とにもかくにもサーフィン。

都内でサーフィンを愛する家族持ちの方なら、誰しも経験がおありだと思うが、都内で千葉に通っているときは、出発前、帰宅後の家族への後ろめたさがどうしてもつきまとう。悪いことしてる訳じゃないのに、心からはしゃげないあの気持ち悪さ。
それを払拭したくて。そして、チャリで波乗りに行く、あのゆるい空気感に憧れて。
もちろんメローな波が多いし、フラットな日も多い。だけど、それも含めて生活の中にサーフィンがあることへの憧れを捨てることができなかった。
でも、捨てなくてよかった。

そして、何より、サーフィンの前後に当たり前にある「食」「ART」「ファッション・雑貨」「音楽」「まつり」。それらが街に根付いている感じが、とてもここちよかった。
例えば、イタリアで修行をした料理人の山崎兄弟が営むレストラン「べべ」。お兄さんがピザを、弟さんがチーズを作っていて、そのハーモニーは絶品。
そんな感じもヨーロッパの雰囲気にとても近しいなーと感慨にふける時がたまにある。
(もちろんこれはカルフォルニアやサンディエゴ、ハレイワ、バイロンベイ等にも存在する感覚だとは思うが)

鎌倉でのサーフィン

 

最後は、家族のルーツを大事にする感覚。

それがとても似ているな、と。代々伝わる家族の場所としての「街」、そこに伝わる伝統・文化をとても大事にする。何百年・何千年のヨーロッパ、1192つくろう鎌倉幕府から約800年ちょっとの鎌倉。(最近は開幕には諸説あるようだが)
これは開拓地であるアメリカやオーストラリアにはない感覚だろう。

幼少の頃はあまり意識したことがなかったが、母方の曾祖父・曾祖母の時代から、祖母・母親、そしてその親戚が今でも鎌倉に住んでいる。七里ケ浜、佐助、材木座。場所は少しずつ違えど、何だか妙な安心感がある。
うちの祖母なんかは、子供の頃、由比ケ浜海岸にて洗濯板で波乗りをしていたそうだ。なんてファンキーなばあちゃんなんだ!と感動したことがあった。笑

そんなルーツが血肉に染み込んでいるのか、やっぱり本能的に戻ってきた、という感覚が近しいかもしれない。家族がいつも鎌倉の素晴らしさを訥々と語っていたことを、ふと思い出す。

鎌倉の苔階段

鎌倉サンセット

 

鎌倉とヨーロッパ。

人々が過去を守りながらも、新たしさを受け入れ、更新し続ける場所。
微力ながら、僕もその一助になれたらと思う今日この頃です。

 

Keep paddling,

 

Written by Syunsuke Kimura
Tue, 20 March, 2018

Keep paddling Vol.5 ありがとう

Keep paddling Vol.5 ありがとう

 

これまであまり経験はなかったが、今回の旅では、「飛行機の遅延」にかなり苦しめられた。
ひとつの遅延でその後の全てのフライトスケジュールがいとも簡単に崩れる。
それによって失った機会もお金もたくさんあった。
失敗と言えるツラいできごともあった。
しかしながら、その遅延のおかげで、予期せぬ貴重な経験もたくさんあった。

物は考えようである。

例えば、1時間差でトランジットに失敗し、
丸1日監視付きで軟禁?されたモスクワでの滞在。

KGBの名残なのか、プーチン圧政の賜物なのか、社会主義の現実なのか。
彼らは決して笑わないし、上から命令されたことを忠実に頑なに遂行する。

裏を返せば、それ以外の余白が全くない。尊敬の念すら覚えた。
おそらく「融通」「臨機応変」という単語は、この国にはないのであろう。

ヨーロッパの風景

しかし、それを打ち砕いたひとつの言葉があった。

寝不足や狂った予定にかなりいら立つ我々トランジット難民。
それにビクともせず、表情を一切変えないミルコ・クロコップ(クロアチアではるが)のようなセキュリティーと、トーニャハーディング(アメリカではあるが)似のホテルマン。

そのピリピリした空気を少しでも和ませようと、
僕が放った言葉の矢は意外にもロシア組の心を捉えた。
(今思えば彼らだって予定外の深夜仕事に、疲れ、僕ら以上にいら立っていたのだ)

ロシア語:спасибо(スパシーバ)=ありがとう

彼らは初めて、ニコッと、ほんとに少しだけではあるが、笑ってくれた。
微笑という言葉、そのままに。

振り返れば、この旅の中で、僕が言い続けていたことがあった。
必ず各国の言葉ひとつは覚えてやろう、そのために繰り返し使おう、と。

それは「ありがとう」
でもそれはこんにちはでもさよならでもなく、「ありがとう」。
大変なときこそ「ありがとう」。

有り難う。
そもそも「あることがむずかしい」。
だから感謝する。

半歩下がって相手を敬う、よい日本語。
とても日本人らしくて好きな言葉だ。

「おかげさまで」も自ら半歩下がって相手や御縁へ感謝する言葉。
自分の手柄ではなく、相手あってこそ。

Hawaii : Mahalo(マハロ)
France : Merci(メルシー)
Spain : Gracias(グラシアス)
Basque : Eskerrik asko(エスケリックアスコ)
Greece : Eυχαριστώ(エフハリストー)

各国の「ありがとう」も何となく音がいい。
そして、わりと言いやすい。
(各国の方からしても「アリガト」は圧倒的に言いやすいらしい。認知度の高さにも改めてビックリ。「どういたしまして」「こんにちは」は難しいようだ)

感謝されて嫌な気になる人はそうそういないし、
言う方も言われた方も何だかほっこり温かい気持ちになる。

感謝がつながって、それが輪になって、また新しい関係性が生まれて。

ヨーロッパのサーフスポット

ポジティブな空気をつくる言葉。

僕はこれからも「ありがとう」を続けたい。

Keep paddling,

 

Written by Syunsuke Kimura
Thu, 21 December, 2017

Keep paddling Vol.4 カルチャーと文化

Keep paddling Vol.4 カルチャーと文化

 
この秋、2週間ほど、各ブランドとのミーティングのため、そして、新しいブランドの方々と接するためにビアリッツ〜サン・セバスティアンに訪れた。その旅の帰り道に少しだけ立ち寄った、村上春樹が滞在し「ノルウェイの森」を書いた場所でもあるらしい、この最終地の夕暮れ時にて原稿を書いてみる。

そんな自分に酔うためでもある。恥笑

いささか仰々しいタイトル。
今回の旅で、「Keep paddling、続けた先にあるものってなんだろう?」という自分への問いに対して、最も感じたのが、やはりカルチャーと文化だった。

その土地ごとに感じるカルチャーと文化。

文化よりももう少し角を取ってライフスタイルに落ちていて、
独自の「色」を発しているのがカルチャー。

文明や国、言語をベースにした民族の独自性が文化。

という風に自分で勝手に解釈している。

ビアリッツのコート・デ・バスクでは「カルチャー」を強く感じた。

ビアリッツ 人気サーフスポット

そこには時間を経て築かれてきた確かなコミュニティと、人々の本当に楽しそうに語らい合う様子、女性1人で海上がりにリラックスする様子、子供と一緒に家族でただただ海を眺めている様子、海の上での譲り合い微笑み合う様子が確かに存在していた。宿泊したアパートメントも、この地でサーフを始めた先駆者の1人が家族で経営しているというだけあって、至る所に居心地のよさがある。
 
ヨーロッパでのサーフィン

フランスだからなのか、はたまた、この街の素朴な魅力が醸し出すからなのか、コート・デ・バスクは、総じてゆったりとエレガントな息づかいを感じた。

この地のシンボルのお城みたいな家をバックに、見事なまでにトロトロに溶けそうなオイリーな夕陽の中、偶然にもローカルの人々に欧州のジョエル・チューダーと言われるクロヴィス・ドニゼッティと海を共にしたあの贅沢な時間は一生の思い出。

夕陽を背に目の前で美しいノーズライディングをする彼の姿も、
またエレガントであった。

この柔らかくてエレガントな空気感こそが、この街のカルチャーなのであろう。

サンセバスチャン
 
一方のサン・セバスティアン。

スペイン カタルーニャ

サーフカルチャーはもちろんであるが、それ以上に強く感じたのは料理人たちがオープンソースの概念で築き上げてきた世界一と言われる美食のカルチャー。
そして、何よりカルチャーではなく、バスクの「文化」である。

政治的なことを書くつもりはあまりないが、触れずにはいられない。
それほどこの街で過ごす中で強く感じた。

太平洋のピスケー湾に面するバスク地方。
バスク語の標識も掲げられ、緑と赤のバスク旗もチラホラ。
ふらっと立ち寄った隣町:サラウツの本屋で挨拶を覚えようと「バスク語—英語」の辞書も買ってみた。
スペイン語やフランス語とも全く違う言語で素直に驚いた。
(ラテン語ベースのイタリア語やスペイン語、ポルトガル語などはどことなく似ているケースが多かったから余計に)

なぜ、彼らは自治を望み、なぜスペイン中央政府はそれを拒否するのか。
ふと、考えてみた。

サン・セバスティアンもサラウツも、
そして元々はバスク地方であるビアリッツも。
振り返ってみると、本当に「豊か」という一言に尽きる。

パリに比べて圧倒的に温暖な気候。
海から抜ける風のここちよさ。
海からも山からも届けられる豊富な食の幸。
豊富な観光資源が故に安定する経済性。
安定的な経済性がもたらす治安のよさ。
治安のよさがもたらす行き交う人々の笑顔。
笑顔がもたらすゆるやかな空気。

バルホッピング スペイン

この生活で、住んでいる俺たちは十分に幸せだから、
自分たちだけでやらせてよ、というのが彼らの本音。

いいなあ、自分たちだけ豊かな生活していて。
俺たちにもその恩恵少しわけてよ、というのが中央政府の本音。

古代ギリシャ文明期から続く争い。
要因はほとんど同じようなところにある。

難しい問題だ。。

続いている、という点では、
争いも人間のカルチャー/文化なのかもしれない。
残念ではあるが。
 
カタルーニャ独立問題

多くの人々が、日々の生活を重ね、大切に営みを続けてきたからこそ築かれたカルチャー/文化。それを続けていくことがそこに生きる人たちの人生だし、それを決して第三者が壊してはいけない。それはどの文明期を辿っても同じであろう。

さて、翻って、日本はちょうど衆院選。
どういう視座で、何を想い願って、投票するべきか。

欧州の旅で少しヒントをもらったような気がした。
日本のために、続けるべきは、何なのか、と。

Keep paddling,

 

Written by Syunsuke Kimura
Thu, 19 October, 2017

Keep paddling Vol.3  ストレッチ

Keep paddling Vol.3 ストレッチ

 

もう20年ほど前になってしまった高校生時代から毎日続けていることがある。

毎朝起きたら必ず行うストレッチだ。

インターハイを目指して、
日々汗を流し、辛くも楽しかったバスケ部時代。
その時のフィジカルコーチに教わった、
ごくごくシンプルなもの。
10分もあれば、完了してしまう。

36歳の朝、いつものように、起床とともに、
太ももをくの字に曲げながら、
天井をボーッと眺めふと考える。

なんで、20年も続けているんだろう?と。

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まずは、単純に気持ちいい。
睡眠とともに硬直したカラダをほぐす。
そうすると、明らかに軽くなる。
血が巡る感覚を確かに感じる。
移動が多く残念ながら腰痛が常態化してしまった私の体には本当に染み入る。

次に、ルーティンをすることの安心感。
かのイチローも、バッターボックスでのルーティンも有名だが、毎朝の素振りという行為を毎日続けることで安心感と自信を得ていたという。

そして、言葉の響き。
日本語で『簡易体操』となると、どうも大げさになってしまうが『ストレッチ』という音は、文字数的にもちょうどよいし、何だかライトに弾む感じがある。ちょっと気軽にやってみよう感を与えてくれる。この貢献は実は大きい。

頭も同じ。人間関係も同じ。
凝り固まったら、意識的にストレッチ。

伸ばすと痛みが和らぐし、
自然と違う方向を向くので、新しい視点が加わる。

伸ばしすぎると、逆にダルダルになってしまうので、時には引き締める。そして、また伸ばす。

サウナと水風呂を繰り返すように。
都会と田舎を反復横跳びするように。

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30代、40代、50代、60代。
歳を重ねれば重ねるほど、頭も体も凝り固まってしまうというが、周囲の活躍している方々は、芯がありつつもやはり柔軟な方が多い気がする。

そんなステキなオジサマ方を見習い、
自分もそれに一歩でも近づけるよう
これからも、ストレッチを続けていきたい。

Keep paddling,

 

Written by Syunsuke Kimura
Mon, 18 September, 2017

Keep paddling Vol.2  旅は最良のトレーニング

Keep paddling Vol.2 旅は最良のトレーニング

 

とある法事で、ほぼ初めて話す70代のおじさま2人と酒を酌み交わした。
愛知県で数十年農業を営む、遠い親戚だ。詳細は割愛するが、
小泉進次郎が闘おうとしていた農協の構造的問題を少しだけ垣間見ることができた。
話はつながるなぁ、、、と酔い覚ましのそば湯で1人ボーッと考える。

 

普段とは違う自分の知らない世界。

些細なことでも刺激を与え、
脳みそと毛穴を広げてくれる。

 

その刺激が濃縮還元されているのが、旅、である。

大学の親友と初めて行ったタイ。
そこから始まりまんまと魅了され、定期的に20歳から続けている、旅。

海外はもちろん近所の神社でもよい。
なるべく少人数で見知らぬ土地に行く。ときには1人で。

 

トレーニングと表題に記したのは、
旅好きの方であれば、お察しいただけるかと思うが、
旅は仕事や日常における人間関係でも大いに役に立つ力をこれでもかと養ってくれる。

例えば、シミュレーション力。
実は1番楽しい時間、と評価の高い、計画段階。
限られた時間と予算(中にはそうでない素敵な紳士淑女もいると思うが)を駆使して、
5W1H的に「いつ」「誰と」「どこで」「何を」「どうやって」するか。

滅多に行けないものだからこそ、普段の勉強や仕事より、
ついつい時間とエネルギーをかけてしまう。それがよいのだ。

 

そして万全を期して、実際行ってみる。しかしこれがまた計画通りにならない。
旅(特に初めて訪れる、どちらかというと新興国)では、予測不可能なことが起こる。

飛行機が遅れる。
抑えていたはずのホテルが予約できていない。
怪しいヒゲのおじさんに声をかけられ、
なぜかついて行ってしまう。(旅の魔力)

そこで養われるのが、適応する力。軌道修正力。
つまり、その場を何とかする力。
大人になればなるほど(現在36歳、申年)とても大事な力だと痛感する。

その場を敢えて楽しむ精神力まで
身につければ大したものだ。

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僕もいくつか経験がある。

逃げ場のないエジプトの砂漠で、
高い黒曜石を買わされそうになったり。

メキシコシティのバス停で、
今この場でどうしても娘のプレゼントを買わなきゃいけないおじさんの熱演にほだされ、
$300貸してしまいそうになったり。

ジャマイカのボブマーリー出生地で、
ツーリストポリスまでもが金をせびってきて目的地を目前にして
前に進めなかったり。

 

些細な話だが、小さくともこんな山を乗り越えると
自分の中で相対比較対象が増え、忍耐力とともに客観力が身につく。

すると、どんなことが起きても、
焦らずにまずはフラットにモノゴトを受け入れる寛容力が身につく。

そして、打開するための戦略構築力や想像力。
そんな力たちが自然と身についていく。

誰かと行く時は、
自分の行きたい場所がいかに素晴らしいか、
人を巻き込む力と端的に説明する力。
そんな力も付与される。

 

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仕事もある種、社会を旅するようなものだ。

知らない業界、初めてのプロジェクト。
誰かを巻き込み、協力し、共に目的地を目指す。

僕らはドラクエ、ドラゴンボールで
育った世代である。

冒険と耳にするだけでワクワクしてならない。

 

自分を探すのではなく、
色んな力を身につけるために。

これからも旅を続けたい。
Keep Paddling,

 

Written by Syunsuke Kimura
Thu, 10 August, 2017

Keep Paddling vol.1 続ける、ということ。

Keep Paddling vol.1 続ける、ということ。

 

EURO SURF STYLEをスタートして、約半年。

スタッフコラムを書くにあたり、何がしたくて、何を目指して、なぜこの仕事を始めたのか。

それを再確認するために、別の仕事で訪れた京都にて、
わずかばかり仕事を抜け出して、建仁寺と東福寺にやってきた。
1202年建立で京都最古の禅寺と、1255年建立の近代禅宗庭園に触れたくて。
枯山水の庭園をボーッと眺めながら、ふと考える。

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何だか、波待ちしてる時の気分に似ている。
仕事や過多な情報を忘れ、頭がクリアにシンプルになるあの瞬間だ。

頭の中が、そぎ落とされて、
今日自分に課した問題の答えがぼんやり見えてきた。

サーフも京都も禅宗も、
自然、そして人間を尊重している。

だから、続いているのだと。

続けることで普遍的なものになる。
続けられることは本質的なものである証拠。
続いていくものは、至ってシンプルなものが多い。

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オンライン、AI、ロボットに代表される
複雑化していく社会。

哲学、自然、宗教に代表される
簡素化を求める社会。
変わらないもの変わるもの、どちらも大切。
そうやって先人たちが、楽しみながらも、時に悩み、もがき、積み重ねてきたものが文化。

歴史ある欧州には、日本同様、文化的エッセンスが凝縮されている。
だから、僕たちは欧州のサーフファッションにも惹かれたのだ。

デザインだけでなく、その背景にある信念やストーリー、考え方。とても深い。

そこが西海岸やオーストラリアのブランドと違う1番の魅力だ。
どちらが善い悪いではなく、違う魅力がある。

知らなかったものを発見した時の興奮、喜び。
すなわち好奇心。それらをくすぐるブランドが欧州にはまだまだたくさんある。

そんなブランドを微力ながら、
これからも日本に届けていきたい。

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波がある時も、ない時も。

愛すべき仲間、大切な家族と
楽しく豊かな時間を少しでも多く重ねていくために。
続けていくこと。それが大事。
そう信じ、願って。
Keep Paddling.

 

Written by Syunsuke Kimura
Thu, 13 July, 2017