Laid-back vol5 Scottish surf and whisky

Laid-back vol5 Scottish surf and whisky

 

グラスゴー中央駅は僕が想像したものよりずっと大きく、僕が期待したものよりずっと騒々しかったが、既に何杯かのウイスキーに揺られていた僕にとってはどちらもあまり気にならなかった。アイラ島へのフライトは3時間後。で、あるならば、坂を上ってまずは老舗パブ「ポットスティル」へ。タリスカー10年のオールドボトルをドラムでオーダーしつつ、スコットランドとサーフィンの関係について適当に、あくまで適当に、そして程よく散文的に考えてみる。

The Pot Still

スコットランドにもいくつかサーフィンのスポットが存在する。Machrihanish、Corldingham,そしてThurso サーフシーズンは4月~10月、しかしながら当然寒く、冷たい。でも、全く問題はない。なんと言っても世界最高のウイスキーがあるし、世界一不味いと言われているハギスもある。(僕はそこまで嫌いではないけれど)

サーフィンに戻ればO’Neill CWC (Cold Water Classic)という大会も開かれている。意外かもしれないが、スコットランドとサーフィンは想像よりも仲良しなのだ。もしかしたらスコットランドとイングランドよりも仲良しかもしれない。

スコットランド料理 ハギス

 

そしてScottish Surfing Federationももちろん存在する。僕は個人的にこの団体が好きだ。インスタグラムのフォローもしている。何故かというと、この連盟のアートディレクションがとても気に入っているからだ。押し出し過ぎず派手過ぎず。色使いも良いし、何よりデザイン全体が骨太でScottishの気概を感じている。(あくまで個人的にではあるが)

いつか、どんな形でも良いが、彼らと仕事がしてみたい。もちろんミーティングの前にはサーフィンをしてウィスキーを飲んで、そしてハギスをつまみながら。

Scottish Surfing

出典 Scottish Surfing Federation

 

Written by Tsuyoshi Tahara
Tue, 23 October, 2018

Laid-back vol4 On the way to Euro surf trip

Laid-back vol4 On the way to Euro surf trip

 

良い波に乗って、熱いシャワーを浴びる。温かさを取り戻した身体に、冷えた白ワインと新鮮なオイスター、若しくはウイスキーの聖地Islayでそうするように、BOWMORE & Oysterも悪くない。「ビールとホットドッグ(もしくはハンバーガー)以外はサーフィンに合わない」と考えているなら、それはとても残念な事だ。波の乗り方に様々なスタイルがあるように、サーフィンには無限の掛け算が成立する。僕はサーフミュージックやロックの代わりにThe Five Corners QuintetのJazzを聴きながら海に行くし、サーフィン後の朝食はアサイーボウルより固めのバゲットと生ハムを好む。

 

サーフィンの技術についてはあまり大きな顔はできないが、何よりもサーフィンが好きだし、初めてのポイントで波を待っている時は本当にワクワクする。そう、素敵な女性(もちろん男性でも構わない)との初デートに向かう夕暮れのような気持ちだ。

だからこそ僕はヨーロッパのサーフスタイルに魅力を感じたのかもしれない。自分達の生活スタイルをサーフィンに合わせるのではなく、生活の中にサーフィンそのものやそのエッセンスを取り込んでいく、というやり方に。確かにヨーロッパはサーフィンにおいては発展途上にある。何故ならハワイやオーストラリアと違い、寒くて厳しい冬があるからだ。だからこそ彼らは、独自のサーフカルチャーを無意識に創造し始めた。まるで冷たい海を自由気ままに泳ぐアザラシのように。そういった意味では日本も同じ環境にあるのかもしれない。毎日の生活スタイルのなかで、厳しい秋冬のサーフィン、若しくはサーフカルチャーを愉しむためにどうすればいいのか。僕らにも常に工夫が必要だ。

 

ローカルもビジターも、ベテランもビギナーも、今よりも少し寛容に、少し視野を拡げてサーフカルチャーを楽しもう。食べるもの、飲むもの、見るもの、聴くもの、そして着るもの…色々な波をたくさんの色で染めていこう。サーファーはみんな、固定観念に縛られずに自由であるべきだし、そして何よりも僕達は理性的でスマートに生きる事を望んでいるのだから。

”EURO SURF STYLE”それは、寛容と洗練を掲げる新たなサーフカルチャー。ワインとウイスキー?SAKEも悪くない。イタリアン、フレンチ、ジャズ、シャンソン?全部良いんじゃないかな。だったら着るものも少しモダンにモードにしょうか。
そう、大切なのはたった一つ。今の人生を思いっきり楽しむ事。できる限りスマートにね。

 

Written by Tsuyoshi Tahara
Thu, 30 November, 2017

Laid-back vol3 パブとビスポーク

Laid-back vol3 パブとビスポーク

 

柄にもなく「アフタヌーンティー」とやらを楽しもうと思った事がそもそもの間違いだったのかもしれない。あるいは、向かいの劇場で演じられていたハリーポッターの悪戯か。

とにかく僕は当初の目的を達することなく、グリークストリートのパブで3paintのビールを片手に、決して美味しくはないサンドイッチをほうばっていた。こうなるともう後はどうでも良くなってきて、結局は食後にウィスキーのストレートを注文し、店の前にいたネコに見送られながら午後の街へ。ほろ酔いのロンドンも悪くない。そもそもこの街では酔っ払っているべきだとさえ思えてくる。(決してそんなことはないのだが)

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そんな事を考えながら歩いていると、すぐに目的地のセヴィルロウに到着。「背広」の語源となったとも言われているこのあたりのビスポークはとても魅力的だ。サーフィンに例えると、一つの海岸に気のきいたポイントがいくつも並んでいるようなもので、それぞれの店に個性とプライドが充溢している。

あるビスポークではこんなことがあった。僕が店主とコートの丈と色について議論をしている時(それはとても白熱し、フィッシュ&チップスに使用する魚の種類について議論する英国紳士達のようでもあった)裕福そうな中国人夫婦が多数の商品を持ってやってきた「先にこちらを会計してくれ」と。それに対し店主は静かにこう言ったのだ「私は今、この紳士と大切な話をしている、それが終わらない限り他のお客様の接客はできない」と。

これこそがオーセンティックなビスポークなのだ。結局僕は、彼のアドバイスに従い最もオーソドックスなタイプのコートを買って店を後にした。(フィッシュ&チップスで言えばコッドになる)その後、ハンドメイドのブーツをピックアップし、ホテルへ。

アフタヌーンティーは飲めなかったが、現在のロンドンを象徴するようなとても素敵な一日だった。

 
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Written by Tsuyoshi Tahara
Mon, 25 September, 2017

Laid-back vol2 ロンドンという街

Laid-back vol2 ロンドンという街

 

25年ぶりのロンドンは久しぶりにも関わらず、いつもと変わらぬ表情で僕を迎えてくれた。不機嫌そうで皮肉めいていて、それでいて紳士的。まるでこの街が生んだ名優デヴィッド・スーシェのように。

そんなロンドンに少し安心し、そして少しの不満を抱えつつショーディッチにあるエースホテルにチェックイン。「♯323」の部屋は適度にスノッブで広さもちょうどいい。”適度”がどのレベルを指すのかを語り始めると、別れた彼氏の話を女優さながらに語る女の子よりもずいぶん長くなりそうなので、今はやめておく。つまりは僕にとって”適度”であれば良いのだ。

その適度な室内には、デニムをあしらったベッドカバーや、オリジナルトートバック。さらには弾くことができるギターなどが、絶妙なバランスで配置されている。全体的にはユーロスタイルというより、やはりポートランド的センスを感じる空間だ。余白の使い方を教えて貰わないといけない。

 

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そして何より、(これは僕にとってかなり重要な事だが)ルームバーをチェック。あった、ウイスキーが艶やかにならんでいる。シングルモルトはアードベッグとグレンモーレンジ、ブレンデッドのバランタイン、デュワーズ。アイリッシュのブッシュミルズ・・女王陛下万歳!

さて、今日はこれからどうしようか?ショーディッチの街を散策するか、旅の疲れをアードベッグで流し込むか。まあ、慌てることはない。今の季節は夜の10時頃まで明るいのだ。久しぶりのロンドン、ゆっくりと楽しもうではないか。

 

 

Written by Tsuyoshi Tahara
Thu, 03 August, 2017

Laid-back vol.1 人生を楽しむためのリズム

Laid-back vol.1 人生を楽しむためのリズム

 

laidback (レイドバック)【形】

1.〔雰囲気・生活などが〕リラックスした、くつろいだ、のんびりした、ゆったりした
2.〔人の性格などが〕おおらかな、気軽な、こだわりのない

 

僕らの年代にとってレイドバックと聞いて、まず思い浮かべるのは、サザンオールスターズ1980年の名曲「わすれじのレイドバック」だろう。まさにレイドバックしたリズムをベースに男女の情事を歌っている。「指でさぐることなどつらい in your socket」とても良い歌詞だ。

長い人生において、僕らは大小のストロークに合わせリズムを変えて(もしくは変えられて)生きている。若い頃は速いビートが好きで、無駄が嫌いで、尖がって生きていた。そう、水しぶきをあげてカットバックするショートボードのように。今はどうだろう?ゆったりして、おおらかになってきたのかもしれない。多少のこだわりは捨てられないけれど(僕はヘアサロンが嫌いで床屋にしかいかない)その分だけ、周囲との調和も上手くなってきたような気がする。

サーフボードと波の関係がそうであるように、僕らは時間やタイミング、経験や能力にあわせて常にリズミカルに生きている。乗るときは乗り、かわすときはかわす。重要なのはタイミングとリズムなのだ。

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そういえば、JAZZドラマーのビリーコブハムもこんなことを言っていた。「ドラマーにはリズム、タイミング、ハーモニー、この3つのセンスが必要だ」と。人生もサーフィンもドラムも。自分のリズムを持つことが大切なのかもしれない。

 

 

Written by Tsuyoshi Tahara
Mon, 10 July, 2017