Viaggio Vol.5 Taghazout, MOROCCO [モロッコ、タガズート]

Viaggio Vol.5 Taghazout, MOROCCO [モロッコ、タガズート]

 

滞在中波が一度も訪れなかったバルセロナを離れ空路アフリカ大陸にあるモロッコへと向かった。ここはユーロサーファー憧れの地、海流の冷たい北大西洋を離れ、常夏の海を目指してヨーロッパ各国からサーファーが集まってくる。イスラム教を崇拝するこの国では食事の制限は厳しく、酒は愚か女も禁じられ、その余波は旅人にまで影響をおよぼす。豚肉は一切お目にかかれず、酒にも当然ありつけない。搾りたてのオレンジジュースがいたるところで売られ、タジン鍋とクスクスで日々空腹を満たしていた。

モロッコ料理とサーフトリップ

乾いた大地が広がる大陸北西部の街マラケシュへと僕は降り立った。ヨーロッパ大陸とはガラリと雰囲気が変わり、灼熱の太陽に照らされた赤茶けた土壁の建物がポツリポツリと姿を現した。海とは反対に進路を東に取り、険しい道のりのアトラス山脈を走破した。そして砂漠までの中継基地となるワルザザードに停泊することとなった。

サハラへ向かう道のり

無計画な旅の始まりは我々を内地サハラへと誘った。レンタカーを運転していると突然1人の男に引き止められ、窓越しに彼が声を掛けてきた。「俺をワルザザードまで連れてってくれ」「そうすれば砂漠に連れてってやるから」と… ありもしないこの奇妙な話に興味を持ち、悩んだあげくに彼の思いを叶えてあげることにした。

現地人のおもてなし

目的地に着くと彼は、彼の叔父を紹介してくれ、立派な建物の奥の奥の部屋に招き入れ、ミントティーで丁重におもてなしを受けた。簡単に自己紹介を済ませ話を続けていくと、驚くことにその叔父が砂漠までの道のりを案内してくれると言う。天候の良い日(砂嵐の少ない日)を選び、サハラ内部へと歩みを進める。激しく揺れる車内から眺める景色は砂、砂、砂。たまに見かける植物が奇跡の産物に思える。。。

モロッコ植物

モロッコの子供達

サハラ砂漠奥地

頼りになるローカルガイドのもと一行は半日ほどかけてサハラ砂漠奥地へとたどり着いた。現地に着くと僕は、すかさず持っていた板についたフィンをプラグを回して外し取り、デューン(英語で砂丘の意)を駆け上がって砂の波をサーフした。サンドウェーブが無限に広がるこのエリア一帯。砂のみで作られる陰影が美しい景色を作り、静寂に包まれた空間は、時折吹く風が砂を舞い上がらせ、かすかな音を奏でていた。単調でゆっくりとした時間が流れている。これは何百年前も何百年後も変わらず続いていくだろう… 今では薄れてしまったこのえも言われぬ心地よい感覚を、また蘇らせたいと思ってしまうほど僕にとっては特別な場所であった。

サハラ砂漠のデューン

タガズートのラクダ

サハラ砂漠を後にし、西の海岸線に向け僕はまた車を走らせた。モロッコ随一のサーフタウンであるアガディール北部にあるタガズート、サーフショップやスクールもあり思ったより発達している。ラクダに揺られ波チェックしていくと沖の方で僅かに波がブレイクしていた。

モロッコのサーフポイント

しばらくの滞在であったが、サイズは上がることなくモロッコの波を堪能することはできなかった。しかしながら食には恵まれ、海岸線ゆえに豊富な海産物が僕の欲求を満たしてくれた。

モロッコの料理その1

モロッコの料理その2

地中海から大西洋に出ても、結局波には恵まれなかったが、異文化に触れ、人の気持ちに揺れ、極地をも体験でき、貴重な話までも聞くことができた。砂漠を案内してくれた彼の叔父は時期が来ると織物を売るため遊牧の旅に出ているそうだ。あのサハラ砂漠をラクダに乗って…

モロッコ、タガズートの旅は続く

次回につづく

Written by Hideki Jumbo Sakakibara
Instagram : @jumbomax69
Wed, 10 October, 2018