Viaggio Vol.3 GENOVA, ITALY [イタリア、ジェノバ]

Viaggio Vol.3 GENOVA, ITALY [イタリア、ジェノバ]

 

イタリアは全土が地中海の中にあり、外洋に面している海岸線は国土の中には一切存在しない。「俺たちの海はオーシャンではなく、シーだと」あるイタリア人サーファーは謙遜の意味を込めて言っていた。僕たちの国に例えて考えてみると、地中海は大きな日本海のような感じで、条件が整えばサーフィンができる波が立ち、そう長くは続かない。面積は断然日本海より大きいので、波に乗れる可能性は少しは高くなる。エピックコンディションになる日も数多くあり、あちこちのイタリアの波の写真を見るかぎり、外洋と変わらないくらいの迫力のある波がやってきていた。

湾岸都市ジェノバ

ミラノからレンタカーを借り、海に面している港湾都市ジェノバへと向かった。古くから貿易港として栄えてきたこの街を中心に、サーフポイントは各地に点在する。車で2時間の距離なので、ミラノから多くのサーファーがやってくる。ハイウェイをまっすぐ南へ下り、山間の曲がりくねった道を抜けると、その先に分かれ道がある。僕は無意識にハンドルを切り右に曲がった。ジェノバの西側のエリアに進み、辺りを探索してみようと思った。

イタリアのサービスエリア

途中サービスエリアで休憩を挟み、コーストラインをパトロールした。イタリアのサービスエリアは日本と違って面白い。高速をまたぐ陸橋の階上にレストランやカフェが作られ、上下線からともに階段を登りアクセスできる。もちろんエレベーターもあるが…。カフェでは本場の極上のエスプレッソやカプチーノが、わずか1ユーロちょっとで味わえ、レストランではイタリア料理や本格的なサラダバーが楽しめる。タワーブリッジ式の階上のレストランの座席からは、階下をまたぐハイウェイを駆け抜ける車列が一望できる。このようなサービスエリアの作りは、レース好きな国民性なのからなのか…。食事を終えカフェに寄り、お土産とコンビニの最終コーナーを周回しないと出口のチェッカーフラッグを受けられないのはご愛嬌。いつも何も買わず階段を下り、そそくさとハイウェイの本当のレース場に戻るのであった(笑)。

ジェノバへ向かう途中で食事

海岸線にたどり着くとハイウェイを下り、海が見える一般道を西進した。たまに見える海に波は無く、あってもごくわずかなインサイドのショアブレイクのみで、サーフィンするには少し物足りなかった。半ば諦めかけヨットハーバーのある岬の先端から海岸線を見渡すと、彼方に確かに白波が立っていた。よーく見るとそこにはサーファーらしき姿の物体が2,3いるように思えた。慌ててハンドルを握り、やってきた道を逆に向かい、サーファーがいるであろうその辺りを目指した。

屋根にサーフボードを積んだ車

到着するとそこには、屋根にサーフボードを積んだ車や、海に向かおうとしているサーファーが、僕の心を躍らせた。はやる気持ちを抑え、まずは駐車場所を確保し、海へと足早に歩いて向かった。そこには僕が求めていた波があった。小ぶりながら極上のブレイクをみせる波が…。

ローカルとミラノサーファー

トランクからウェットを取り出し、旅用のサーフボードにフィンを取り付け、久しぶりにワックスを塗るゴリゴリとした音に、高揚感を覚える。春先の海水はまだ冷たく、透き通る濃い青色の海に日本との違いを感じた。ラインナップには何名かのローカルとミラノサーファーが、僕は一番手前に陣取り、こぼれた波をテイクオフしていった。

ジェノバにてテイクオフ

綺麗にブレイクする三角波、夏は海水浴場となるこのビーチだが、沖合にはリーフの棚がありサーフィンに適した波が立つ。何本か乗っていると先人たちに声を掛けられ、僕をラインナップに加えてくれた。

フランクなローカルたち

たまにしか立たない貴重な波だが、ローカルたちは決して焦ってはいなかった。緩いリズムで波をシェアし、「Ciao!」と言って笑顔でその場を去っていった。こんな何気ないやり取りに気を良くして、ランチは海沿いのレストランで白ワインとシーフードグリルで豪華に締めくくった。

素晴らしいビーチ

地中海での初めてのサーフィンは、これ以上ないくらい最高の時間を僕に与えてくれた。そしてこの後このポイントに、足繁く通うのであった。。。

つづく

Written by Hideki Jumbo Sakakibara
Instagram : @jumbomax69
Mon, 14 May, 2018