Viaggio Vol.1 欧州歴訪

Viaggio Vol.1 欧州歴訪

 

ヨーロッパ、僕がサーフィンを始めて十数年
を経てたどり着いた場所。
ただ波に乗るだけの行為で満たされていた若い頃とは違い、その生い立ちや背景にあるものにも興味を抱くようになった時、ふいに目の前に訪れ、その機会を作ってくれた。

純粋にサーフィンのルーツをたどれば、ハワイ、カリフォルニア、オーストラリアといった場所がまず最初に挙げられる。当然僕の旅はここから始まった。

二十数年前に初めて海岸に打ち寄せる大きな波に押され、気づくとハワイの透きとおる波の表面を滑走していた。導かれるように南半球のオーストラリアに渡り、カリフォルニアのコーストラインをキャンピングカーで縦断したりもした。

波に乗ることと旅に出ることの完全な虜となり、渡航先はさらに増える一方。こんな最高な時間がひとしきり過ぎた頃だった。興味の対象は海から眺められた大自然の素晴らしさから、そこに暮らす人々の営みへと移っていった。

自然が織りなす風景だけではなく、人間が労力を積み重ねてきた物事に対する価値が、とてつもなく大きいものであるように思えた。人類の叡智を結集し、世代を越え年月を費やして築かれるものに、しだいに僕の心は惹かれていった。自身の年齢やサーフィンのキャリアも伴って…

ヨーロッパ歴訪

 

そこで目の前に現れたのがヨーロッパ大陸であった。アメリカもオーストラリアも欧州からの移民で成り立っている。いくらサーフィン先進国とはいえその歴史は浅い。それに対しヨーロッパ諸国は、幾たびも国境を変え、数々の歴史を作り上げてきている。
背景にある重厚な建造物が重ねた年月の深さを如実に物語っている。
長い歴史のある国々で形成されるサーフカルチャーとは一体どんなものなのか?
その疑問の答えを探すべく僕のヨーロッパ歴訪の旅は始まった。

つづく

欧州歴訪

Written by Hideki Jumbo Sakakibara
Fri, 09 March, 2018