Vol.1 What is “SURF ” for Biarritz Local?

Vol.1 What is “SURF ” for Biarritz Local?

フランスにサーフィンが持ち込まれて60年が経過。
それから今、ヨーロッパにおけるサーフィンとはどんな立ち位置で、どんな風にみられているのか。

一回目のコラムでそんなお題をいただき、せっかくなので(?)当事者であるサーファーに聞いてみることにしてみた。答えてくれたのはフランス人、ビアリッツローカル。ただしローカルといっても移住組の方。それまではパリなどの都会で暮らし、サーフィン以外の世界も知る。サーフィンを始めたのは30歳を過ぎてからで最近は40という年齢が近づいてきたことからボードの長さを長くしようか、それとも厚みをつけようか悩んでいる様子である。

そのローカルサーファーに聞いたのがこんなシチュエーション下での話。例えば初めての人に会ったとする。
そこで「サーフィンしています」と自己紹介するとしよう。するとその初めて会った人からはどんなイメージを持たれるのか? 「サーフィン」からどんな言葉が連想されるのか?

返ってきた答えはこうである。

「サーフィン=1、旅 2、エクストリームスポーツ 3、環境」

さらに答えはこう続けられた。

「そこからサーファーとなると3つの単語からこんなキャラクターが連想される。
旅 → 好奇心旺盛でオープンマインド
エクストリームスポーツ → 一般の人とは違った存在、レアな人
環境 → 自然への理解、共存」

「サーフィンって何?」と聞かれる事はもうないが、経験したことのある人はまだ多くなく、それゆえサーフィンはヨーロッパでも少し特別感をもつという。サーファーとはよい意味で一般の人とは違う生活をし、フットワークが軽く、時間の使い方が自由でアーティスティック。どちらかというと憧れの眼差しで見られることが多いと説明を足してくれた。

リー・アン・カレン

トム・カレンの娘、リー・アン・カレンがビアリッツローカル。プロサーファーの顔とミュージシャンの顔両方を持つ。
まさにアーティスト

 

サッカーのように全員が学校で習えるようなものではなく、サーフィンにまだ特別感はあるが、しかし挑戦するヨーロッパ人は増えているように見受けられる。

サーフィンが持ち込まれたビアリッツのコート・デ・バスクには今、5つのサーフィンスクールが並ぶ。そのうちの一つでサーフレッスンを生業とする先生が近年のスクール生事情について教えてくれた。

「国別に見るとフランスはもちろんだけど、夏のバカンス期はドイツ、イギリス、スエーデン、ノルウェーからの人が多い。どこもフランスより寒くてサーフィンは身近な存在ではない。けどそれでも興味を持つ人は多く、実際トライをしにここまでくる人は年々増えている」。

サーフィンの認知度は一般レベルまで広がったが、サーファーはまだ限定される。しかし人気は上り坂でサーフィンに挑戦する人は増加を辿る。これだけみればヨーロッパにおけるサーフ事情は日本とさほど違いがないようだ。

ただしサーファーのライフスタイルにまで話が及ぶと、それは日本とは違ってくる。サーファーのライフスタイルはこちらではアートの一種と捉えられるという。

冒頭の質問に答えてくれたローカルサーファーによると、サーファーは1日の時間割、1週間の過ごし方を自身で設計。それはクリエイティブなことで、日常生活のそれ自体がアートと見なされるのだそう。そしてそれは概ね好意的。

フランスにいるとアートという言葉は芸術の意味もあるが、表現の意味も持つように思える。日本で使われるアートより意味は多数。

そのローカルサーファーは昔を振り返ってこうも教えてくれた。

「我々は自分たちが何者なのか。どこからきたのか(何人なのか)。何をしたいのか。それを常に問いかけられてきた。学校で、社会で、家庭内でも。特に60—70年代、一番自由でヨーロッパ全体が楽園のような時代に青春を過ごした親に育てられた世代は顕著。だから自分を表現することは普通のことで、クリエイトすることはむしろ得意。そしてクリエイトはアートともいえる。この時代背景はフランスに限った話でなくヨーロッパ全体としてもいえると思う」。

サーフスクール

コート・デ・バスクに並ぶ5軒のサーフスクール

 

このコラムが掲載されている当Webサイト「EURO SURF STYLE」ではヨーロッパのサーファーが作るブランドが各地から集められ紹介されている。ユーロサーフと大まかにまとめられていても、その実それぞれに違いがある、その土地の香りがするようなプロダクトもある。

このビアリッツローカルの話からすると、作り手である彼らはサーファーである前にヨーロッパ人であり、自分たちは何者なのかを常に追求し、表現してきた人たちである。その個性がプロダクトに反映されるのは当然だ。ただヨーロッパにいるサーファーが作った物、それだけでは終わらない。

買物だけでなく、各ブランド、プロダクトを通しヨーロッパの海、人、土地の個性も伺い知ることができるだろう。それはこの「EURO SURF STYLE」のサイトが持つ醍醐味の一つだと思われる。みなさんどうぞ、そこもお楽しみください。

Written by Michiko Nagashima
Tue, 27 September, 2016